再発明の名人

渋茶一杯、いかがですか

【スプラ3】前夜祭と第1回フェスに関する問題提起

まえがき

ひまつぶし派の悲哀を語りたい。

結論から言うと現状のフェスの制度設計には大いに問題があり、次回以降も改善されなければユーザー体験が確実に損なわれる。

スプラ3のフェスの特徴

初代スプラおよびスプラ2でのフェスは、お題に沿って2陣営に分かれナワバリバトルを行い優劣を争うイベントだった。今作スプラ3では3陣営が優勝を争うよう変更された。

これにより

  • お題の多様化
  • 投票率に偏りが生じてもマッチングがしやすく、同陣営同士のマッチが発生しにくい

等のメリットが生じた。

さらに小さな変更点としてヨビ祭期間が追加された。事前にどの陣営にするか投票を済ませたうえでオンラインプレイに参加するとアイテム「ホラガイ」が入手でき、その入手個数もフェス本祭の結果に反映される。

これにより

  • フェス開始前から雰囲気を盛り上げる
  • 結果が推測できるフェス後半に投票し「勝ち馬に乗る」行動を抑制できる

ようになった。

そしてスプラ3からの新要素として、中央の4人の陣営を両側の2人×2陣営で挟み撃ちにする「トリカラバトル」が追加された。フェス期間が半分経過した時点での中間発表で1位の陣営が中央の防御側に、残り2陣営が両側からの攻撃側に回る。

攻撃側と防御側のどちらが勝利しやすいかはマップの構造に大きく依存するが、攻撃側にのみ「スーパーシグナル」というオブジェクトを獲得した際のこうけん度ボーナスが設定されているため、フェスの結果への影響を考えた場合攻撃側に有利に働く。

これにより

  • フェスの結果を逆転させるチャンスが生まれる
  • フェス中のナワバリバトルに対するマンネリ感を解消できる

はずであった。

ところが

結果

結果は周知のとおり、前夜祭と第1回フェスの両方とも

中間発表1位の陣営が陥落

最も不人気の陣営が0pに終わり

そして

得票率1位の陣営が優勝

した。

生じたであろう不満

中間発表1位の陣営は、「チャレンジ」での健闘にもかかわらず「オープン」では不利なトリカラバトルを否応なく押し付けられ敗退し、後味の悪い終わり方となる。

最も不人気な陣営は、中間発表の時点で希望を見出せないまま得点0pという結果を叩きつけられ、こちらも後味の悪い終わり方を迎える。

得票率1位の陣営は、結果だけ見れば優勝だがマッチングでは同陣営同士の試合に参加させられたり、希望してもトリカラバトルに遭遇できないなどフェスマッチを十分に楽しめないまま終わる。

問題点の分析

筆者の考えるこの結果に至った要因は、大きく分けて以下の2つである。

  1. 得点の算出方法の欠陥
  2. トリカラバトルの調整の失敗

それぞれについて詳述する。

不満の要因その1 得点の算出方法の欠陥

そもそもスプラ3のフェスの得点は、下記各項目の1位陣営に対して

  • ヨビ祭期間中のホラガイ取得率*1 …10p

  • 得票率 … 10p

  • 実力考慮の1人用「チャレンジ」のこうけん度 … 10p

  • 複数人可でトリカラバトル含む「オープン」のこうけん度 … 15p

が与えられ、その合計点により優勝陣営が決まる。優勝陣営の参加者には参加賞であるアイテム「スーパーサザエ」が、他陣営の参加者よりも少し多めに配られる。

上記の得点配分で最も特徴的な点は

チャレンジの配点をオープンが上回っている

ところであるが、これは

  • 試合に負けてもこうけん度が得られるオープンのほうがこうけん度の数字そのものが大きい
  • 単純に同点を防ぐ(この配点では同点は生まれない)

点においてある程度正当化できる。その一方でオープンには

  • 同じ陣営に所属するフレンドのみと同行できる
  • 試合運びやおそろいボーナスの関係でフレンドとプレイした方が有利

という性質がある。

しかし、スプラ3のフェスは3陣営に分かれるため、少数派陣営の比率が3割を切ってしまう事態が容易に発生し、

  • 少数派陣営を選ぶと組めるフレンドの数が単純に少なくなる
  • フレンドと相談する場合は無難な選択、つまり多数派陣営を選択しがち

傾向が生じる。結果として、

  1. 得票率1位の陣営がオープンでも有利*2
  2. 得票率と「オープン」の25pで得票率1位の優勝が確定
  3. 得票率1位がさらに人気となる
  4. 1.に戻る

の悪循環が起こる。

さらに悪いことに、やりこみ度が高いプレイヤーが多いほど有利なヨビ祭期間中のホラガイ取得率と個人の実力重視の「チャレンジ」の強さに正の相関があることも予想されるため、

少数派陣営のうち一方は0p

になることが珍しくないと予想される。

実際のところ前夜祭に比べても第1回の多数派集中が著しかったため、次回も一極集中の傾向は維持されると考えられる。

不満の要因その2 トリカラバトルの調整の失敗

そもそも

トリカラバトルは最初から1位陣営を引きずり下ろす逆転要素として設計されているため、こうけん度において防衛側が不利であることはここでは問題としない。どちらかと言えば

引きずりおろされる中間発表1位の選定方法に疑問

がある。というのも、

  • 単純に数値が最終結果のチャレンジとオープンの中間に位置する
  • チャレンジの勝率が中間発表前後でで大きく変化する可能性は低い
  • トリカラバトルで攻撃側の2陣営の勝率変化は近しいはず

以上の点から中間発表の数字はおそらくチャレンジとオープンの成績を平均したものであると考えられる。

突然だがここで思考実験をしてみよう。ただし、チャレンジが強い陣営はヨビ祭でも強く、中間発表時点でオープンに強い陣営は得票率でも勝っていると仮定する。

【パターン1】

中間発表でA陣営が優勢と発表された。実はチャレンジでもオープンでもA陣営が優勢だった場合

(→トリカラバトルが無ければ、当然A陣営が優勝)

⇒トリカラバトルによってオープンではB陣営かC陣営が巻き返すが、ヨビ祭と得票率で勝っているA陣営が優勝

【パターン2】

中間発表でA陣営が優勢と発表されたが、実はチャレンジではA陣営が優勢だがオープンではB陣営が優勢だった場合

(→トリカラバトルが無くても、チャレンジとオープンの得点差によりB陣営が優勝)

⇒トリカラバトルによってオープンではB陣営がより優勢となり、そのままB陣営が優勝

【パターン3】

中間発表でA陣営が優勢と発表されたが、実はオープンではA陣営が優勢だがチャレンジではB陣営が優勢だった場合

(→トリカラバトルが無ければ、チャレンジとオープンの得点差によりA陣営が優勝)

⇒トリカラバトルによってオープンでB陣営とC陣営が巻き返し、B陣営が優勝へと近づく

以上から以下の結論が導かれる。

  • 人気(=オープン)も実力(=チャレンジ)もある陣営が存在した場合はどのみち逆転不可能
  • それ以外の場合、中間発表で優勢とされた陣営は優勝困難
  • 中間発表時点でオープンでもチャレンジでも優勢でなかった陣営は優勝不可能

現在の方法では【パターン3】の場合しかトリカラバトルの逆転機能は働かず、そればかりか多くの場合*3中間発表1位がそのまま敗北を意味する

任天堂には申し訳ないが

そして何より筆者が考える最大の問題点は

防衛側のトリカラバトルは面白みに欠ける

ことである。

攻撃側のチームAはもう一方の攻撃側のチームBをあまり意識せずにスーパーシグナルの確保を目指せばよい。スーパーシグナルの確保は困難ではあるが、それだけに成功時に得られるカタルシスは大きい。

一方で防御側は攻撃側のチームAとBの双方を警戒しなければならず、これは通常のバトルにおいて常時裏取りをかけられているようなものでありストレスが大きい。スーパーシグナル確保を妨害すること自体は難しくないものの、妨害に成功しても快感はさほど得られず、妨害に失敗した場合は出現する攻撃側のオブジェクト「マトイ」に干渉する手段が一切存在しないためリカバリーが効かなくなる。

総合すると、攻撃側はリスクに見合った派手な報酬が得られるが、防御側はプレイ内容に関わらず快感を生むような報酬が存在しない

防御側にトリカラバトル参加のインセンティブが働かないことにより、防御側からすればフェスマッチ(オープン)に参加する意欲が損なわれ、必然的に攻撃側にとってはマッチング時間増大を招く。

改善案

細かい手段は問わないが、まずは3陣営の人数をできるだけ均等に近づける、つまり少数派陣営への参加を促進するような設計がなされるべき。

もっとも簡単な方法は現行のトリカラバトルのバランスに手を加えないまま、防御側の選定方法に得票率を採用することだと思われる。スプラ2同様に多数派はフェスで優勝しにくくなってしまうが、その傾向が陣営間の人数差を是正する方向に働くはずである。

ただ、それだけでは多数派陣営を選んでしまったプレイヤーの不満が大きくなり、また残る2つの陣営のうち片方の救われなさは改善しない。少なくともフェスの得点対象から得票率を除外し、トリカラバトルの攻撃側2陣営の間に何らかの差をつけるなどの追加の対策が必要である。

あとがき

ひまつぶし派の筆者の本音を言えば、いくらトリカラバトルが理不尽とはいえ得票率さえ得点の集計対象でなければ優勝できていたために納得がいかず、第1回フェスの結果は非常に残念に思っている。

*1:「取得率」とあるものの、おそらく実際には各陣営に所属するプレイヤーのホラガイの平均取得数を3陣営間の比で表したものであると考えられる

*2:スプラ2では多数派のオープン有利は決定的でなかったようだが、スプラ2における少数派の比率は最低でも4割程度あったため、フレンドとのプレイに支障が生じるほどではなかったと思われる

*3:スプラ2のフェス実績からして得票率1位とチャレンジ1位が両立する回はほとんど起こらないはず